サブスペシャリティ研修:集中治療部門

 当院の集中治療センター(Intensive Care Unit: ICU)は1988年に開設され、2018年に1号館が開院してからは1号館に移転しました。2022年度からは16床に増床し、外科系、内科系を問わず、幅広い患者層の集中治療に対応しています。

 当集中治療センターではSemi-closed制をとっており、主科の医師が主に原疾患の治療を、麻酔科ICU専従医が呼吸循環を中心とした全身管理を担当しています。主科、リハビリ科、麻酔科の医師のみでなく、看護師、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師や管理栄養士など、複数の職種によるチームで重症患者の治療に当たっています。

集中治療センター診療実績

2020年度2021年度2022年度
ICU入室患者93211851679
非手術168219253
予定手術7028681276
緊急手術6298135
人工呼吸管理426511457
血液浄化療法737798
IABP101716
PCPS/ECMO485

 集中治療センターでは重症患者の全身管理のために、人工呼吸器や体外循環装置等の高度生命維持装置の活用や、気管支鏡や超音波等の検査、栄養やリハビリの調整等、多岐に渡る介入を行っており、それらの管理や手技について学ぶことができます。

集中治療センターで経験する項目例

薬剤:鎮静薬、循環作動薬、抗痙攣薬、抗菌薬
手技:気管挿管/抜管、経皮的気管切開、気管支鏡検査、中心静脈カテーテル挿入、観血的動脈圧カテーテル挿入、心臓/胸部/腹部超音波検査、PICC、ミニトラック
医療機器:人工呼吸器、非侵襲的陽圧換気装置(NPPV)、ハイフローネーザルカヌラ、パーカッションベンチレーター、大動脈内バルーンパンピング(IABP)、体外循環装置(PCPS/ECMO)、IMPELLA、間接熱量計、持続脳波測定
管理:腎代替療法(CHDF/IHD/High-flow HDF/on-line HDF)、血漿交換、血漿吸着、NO(一酸化窒素)低体温療法、栄養療法 (経腸栄養/経静脈栄養)、急性期リハビリテーション、人工呼吸からの離脱、気管切開後の管理、肺理学療法

 後期研修で集中治療を経験することにより、重症患者の急性期全身管理、大手術後の管理はもちろん、慢性期の人工呼吸器離脱計画や退院・転院・在宅医療への移行過程など、手術室での麻酔とは異なる視点や知識を身につけることができます。手術麻酔を専門にしたいと考えている方にとっても有益な経験になるはずです。

あなたも是非、我々のチームの一員として集中治療を学んでみませんか?

連絡先:
長田 大雅
ojikino2@a5.keio.jp

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