医局長より
2022年4月より医局長を務めております、壽原(すはら)と申します。
この仕事を引き受けるにあたり、医局ってなんだろう?と改めて考えてみました。
2004年に現在の初期臨床研修制度(スーパーローテート)が始まり、私もそれを経験した者の一人です。当時から「若者の医局離れ」「医局制度の崩壊」などセンセーショナルな言葉が叫ばれ、実際に大学病院ではなく地域中核病院での後期研修を選択する若手医師も一定数いました。
では、なぜ大学病院(医局)は一部の若手医師から敬遠されるのでしょう。
そして、どうしたら医局は若手医師の皆さんに貢献できるのでしょう。
よく「封建的」「古い体質」などと揶揄されがちな従来の医局は(図1)のような構造です。
ピラミッドの頂点に教授がいて、その下に准教授・講師(スタッフ)、医局長、助教(上級医)、研修医(初期・後期)、と続いています。組織の行動指針は基本的に上位下達で伝えられます。
では、この中で患者さんと最も近くで接するのは誰でしょう?
そうですね、研修医の皆さんです。
人は皆、少なからず「上」を気にして仕事をするものです。このパラダイムでは、本来最も気にされるべき患者さんが在るべきポジションにいません。
では、どうすればいいのでしょう?
そうです、ピラミッドを反転させればいいのです!
この(図2)の新しいパラダイムでは、患者さんに最大限奉仕できるよう、研修医の皆さんが最上部にいます。そして研修医を上級医が支え、それを医局長、スタッフ、そして教授が支えています。それぞれが心から患者さんと仲間のためを思って働き、奉仕するのが我々の目指すところであり、医局の仲間が安心して仕事に邁進できる環境をつくることが医局長(私)の責務です。
我々の医局は、従来の型にこだわって自らを崩壊させていく旧態依然とした組織ではありません。時代に合わせて自らの形を柔軟に変えていく、意志を持った生き物です。
ぜひ我々の仲間となり、共に成長していきませんか?
もちろん、大学病院ならではの特殊な症例の充実、豊富な指導医、サブスペシャリティ研修(心臓麻酔・ICU・ペインクリニック・緩和医療・無痛分娩など)、研究や海外・国内留学といった付加価値はそのままに、近年では働き方改革や産後復帰・育児支援にも力を入れています。
輝かしい未来のある若手の先生方を、教室員一同お待ちしています。