慶應病院での麻酔科研修体験談

さいたま市立病院の麻酔科後期研修プログラムに所属中の早瀬康平先生に、慶應病院での麻酔科研修を振り返っていただきました

私は市中病院で2年間初期研修を行い、別の市中病院麻酔科に入局しました。手術麻酔を経験するにつれて患者の術後管理に興味を持ち、より高度な麻酔管理と集中治療を学ぶために慶應義塾大学病院麻酔科に半年間お世話になりました。

慶應病院のICUはセミクローズドシステムをとっており、専属の麻酔科医と主治医が協力して患者さんの治療にあたっております。患者は一般的な予定手術後の患者から、まれな疾患を合併した患者、重篤な救急患者など多岐にわたります。初めてのICUでの研修で右も左もわからない状態でしたが、経験豊富な指導医の先生や先輩方が丁寧に教えてくださり、呼吸と循環の管理を中心に多くのことを学ぶことができました。また、麻酔科はICUの管理と併せてRRT(Rapid response team)も担っております。患者の転帰を予想し迅速かつ的確に治療介入をすることで重症化を予防するという貴重な経験をさせていただきました。

麻酔業務では一般的な症例に加えて覚醒下での開頭手術や肝臓、腎臓の移植などの大学病院ならではの珍しい麻酔症例を経験することができます。複雑な合併症を有する困難な症例もあり、麻酔管理に悩むときもありましたが、指導医の先生方に相談しやすい環境がしっかりと整っており、適切なアドバイスを頂きながら麻酔計画を立案することができたので、研修中に困るようなことはあまりありませんでした。

初期研修の頃から大学病院からはずっと離れており、大学病院は厳しいという先入観があったので、最初は不安だらけでしたが、はじまってみるとどの先生もとても温かく迎えて下さる居心地の良い環境で、半年間の研修はあっという間でした。私のように他大学の卒業生でも快く受け入れていただける懐の大きな医局です。少しでも興味があれば、是非一度、見学や説明会などにご参加いただくと良いと思います。

さいたま市立病院麻酔科 早瀬康平

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