ペインクリニック専門医試験 合格体験記
ペインクリニック専門医試験の概要について、本田あやか先生にお聞きしました。
2023年1月14日土曜日にペインクリニック専門医試験を受験してまいりました。ペインクリニック専門医試験の受験資格は2024年度から以下すべてを満たすように変更になるようです。
- 1. 申請時に年度として5年間、日本ペインクリニック学会の正会員であること
- 2. 日本専門医機構基本領域の専門医資格(暫定専門医、猶予などは不可)を有する者
- 3. 日本ペインクリニック学会専門医指定研修施設で1年以上、ペインクリニックに関する研修を行った者
- 4. 筆頭著者として日本ペインクリニック学会誌、もしくはそれに準ずる雑誌の論文を一編以上執筆した者(共著の場合は2編)
- 5. 日本ペインクリニック学会学術集会か支部学術集会いずれかでの発表を1回以上行った者
- 6. 日本ペインクリニック学会学術集会、および支部学術集会、各2回ずつ以上出席した者
学術集会と支部学術集会それぞれ2回ずつなので、受験を検討されている方は早めに参加しておくことをおすすめします。
専門医試験は記述問題、選択肢問題、口頭試問の三部構成でした。記述および選択肢問題に関しては、ペインクリニック学会のホームページに過去10年分が掲載されているので、参考にできます。口頭試問は2部屋に分かれており、それぞれの部屋で1〜50までの番号のうち好きな番号を言うと、目の前のタブレットに問題が表示される形式です。わからない問題が出たらパスすることができますが、そのかわり5点減点される仕組みです。10分間で4-5問は答えることになると思います。面接の雰囲気は決して圧迫ではなく、こちらの答えに大きく頷いてくださる先生もいらっしゃいました。筆記、口頭試問ともに範囲は基礎から臨床と多岐に渡っており、私の場合、学生の頃に勉強した神経生理の基礎知識などが抜け落ちていたため、今回勉強し直すことでより理解が深まったと感じています。臨床に関する出題を網羅する上ではペインクリニック学会が発行している「ペインクリニック治療指針」が大変参考になりました。
ここ数年、ペインクリニック診療に携わらせていただき、痛みという不快から解放されたときの患者様の笑顔が一番のモチベーションとなっております。なかなか馴染みのない分野ではありますが、慶應病院の痛み診療センターが患者の皆様にとってより身近な存在となっていくことを願っております。
最後になりましたが、いつもご指導いただいております小杉先生をはじめ、痛み診療センターの先生方に深く御礼申し上げます。
本田あやか