WetLab2023
開催日:2023年7月2日
場所:メドトロニック・イノベーションセンター
WetLab参加報告
先の7月に、(日本メドトロニック イノベーションセンター支援のもと)Wet Labを当教室主催で実施しました。当日は10名の初期研修医の先生方を含む計20名の参加をいただき、盛況にて終了しました。私も専修医として参加いたしましたので報告させていただきます。
当日は
ブース1:豚肺での気管切開
ブース2:分離肺換気チューブの挿管、気管支鏡操作
ブース3:豚肺に人工呼吸器管理を行い、肺の変化を観察
ブース4:CV or PICC挿入
の各ブースにて当教室、また関連病院の先生方にご指導いただきました。私たち麻酔科医は普段モニターから得られる情報や、限られた視野から生体内で何が起こっているか推測に努めていますが、今回生体内の様子を観察でき、生理学的イメージを掴むのにまたとない機会でした。
特に印象に残っているのが豚肺での人工呼吸デモンストレーションです。陽圧の掛け方と肺の挙動の違いを観察し、カプノメトリと肺の挙動を有機的に結びつける事ができました。また、「分離肺換気後、リクルートメントの有無で虚脱肺の膨らみにどれだけ差が出るか」という試みでは、虚脱肺がいかに膨らみづらいかを目の当たりにしました。この経験が胸部外科症例の管理に役立っています。
また、分離肺換気ブースでは、なかなかお目にかかれない右用DLTの挿管をしながら、指導医の先生より実臨床での応用や、苦労したエピソードも拝聴し、単なる体験に留まらず血肉を伴った経験となりました。
全体を通して、百聞は一見にしかずという諺の意味を痛感しました。「麻酔科ってモニターと睨めっこでつまらなそう…」と思っている方にこそ、ぜひ参加していただきたいです。
当教室では日頃からシミュレータ等による体験型学習の機会を設けております。また、Instagramでは今日から役立つ臨床Tipsも配信しておりますので、ぜひご覧ください。
麻酔学教室 専修医1年 井上弘貴
集合写真
中心静脈カテーテル・PICCカテーテル挿入体験
(青色のストラップ:参加者、赤色:インストラクター)
人工呼吸器での換気の様子を豚肺を用いて観察させていただきました
(青色のストラップ:参加者、赤色:インストラクター)