神経ブロック手技研究会
第20回 神経ブロック手技研究会
開催日:2023年10月7日
開催地:慶應義塾大学病院 痛み診療センター
会長:小杉志都子(慶應義塾大学医学部麻酔学教室 准教授)
神経ブロック手技研究会は、ペインクリニックの診療で必要な神経ブロックの技術をハンズオンセミナーで学ぶことができる、貴重な機会です。超音波ガイド下神経ブロックとX線透視下神経ブロックの基本的なレクチャーのあと、参加者は、以下の4つのブースをまわりながら、実際の手技を体験することができました。
1) 超音波ガイド下ブロック (上肢)
腕神経叢ブロック・星状神経節ブロック・神経根ブロック他
2) 超音波ガイド下ブロック (下肢)
坐骨神経ブロック・仙腸・椎間関節ブロック他
3) X線透視下ブロック (ベーシックコース)
神経根ブロック・椎間関節ブロック・腰部交感神経節ブロック他
4) X線透視下ブロック (アドバンスコース)
椎間板造影・椎間板内酵素注入法
超音波ガイド下ブロックのブースでは、模擬患者を相手に、目標となる神経や構造物の同定、および穿刺時の適切な画像の描出の仕方などを練習しました。X線透視下ブロックのブースでは、シミュレーターを用いてX線の当て方、患者の体位、および実際の穿刺方法を練習しました。参加者の方は、麻酔科医の先生がほとんどで、すでに外来で痛み医療をされている先生もいらっしゃいましたが、これからペインクリニック診療を始めようとされている方もいらっしゃいました。また、開業している整形外科の先生で、保存療法として神経ブロック療法を検討されている先生もいらっしゃいました。
講師は、慶應病院の痛みセンターのスタッフの他、NTT東日本関東病院や昭和大学病院、神田痛みのクリニックから、多様な診療と手技の豊富な経験をお持ちの先生方にお集まりいただき、非常に有意義な学習ができる機会が提供されました。私も普段はオーベンとして指導に当たる立場ですが、他施設の経験豊富な先生方のお話を拝聴することで、新たな気付きと学びを得ることができました。
今後も、このような活動を通じて、痛みで苦しむ患者さんが少しでも減ることを願い、診療に従事したいと思います。
若泉 謙太