2023年度ペインクリニック学会参加報告
+優秀論文賞受賞コメント

日本ペインクリニック学会第57回学術集会が開催され、星野麗子先生が『優秀論文賞』を受賞された他、当教室から4件の招待講演と4件のポスター発表がありました。

学会:日本ペインクリニック学会第57回学術集会
開催日:2023年7月13日〜15日
開催地:佐賀市文化会館・SAGAアリーナ(佐賀県)

優秀論文賞獲得論文

タイトル:集学的痛みセンターにおける慢性腰痛・頚部痛の治療反応性−ICD-11に基づく慢性痛分類による比較−

掲載誌:日本ペインクリニック学会誌. 2022年29巻9号 p.187−192.

学会参加報告

今年の日本ペインクリニック学会は佐賀県で開催され、当教室から数多くの発表がありました。今回は私の発表に加え、当院の初期臨床研修医の先生もポスター発表をしてくれましたし、痛み診療センターの先生方はシンポジウムやワークショップなどで活躍されていらっしゃいました。

現在の慶應義塾大学病院の後期研修プログラムではペインクリニックを3か月間研修することができます。私は演題登録期間に研修させていただいていた縁で、今回の発表の機会をいただきました。コロナ禍にオンライン発表を何度か行っていましたが、約4年ぶりの現地でのポスター発表となりました。久しぶりの現地での発表で緊張しましたが、直接顔を見て質疑応答ができるのはとても良い機会でした。

また今回、私にとって初めて臨床研究の学会発表となりました。統計解析の方法や発表の仕方など、症例発表とは異なり難しい部分もありましたが、指導医の先生方が一から丁寧に教えてくださり、無事に発表を終えることができましたし、臨床研究の楽しさを知ることができました。発表後は指導医の先生方と食事会へ行きました。佐賀名物の佐賀牛やいかしゅうまいなど食べ、楽しいひと時となりました。ペインクリニックを専門としていない段階でのポスター発表、学会参加に不安もありましたが、自分自身の発表もそうですが、他の方の発表や講演を拝聴し、ペイン領域への興味が高まるとともに、今後の臨床へ学んだことを生かしていけるように頑張りたいと思いました。

阿瀬 千咲

優秀論文賞受賞コメント

ペインクリニック学会より優秀論文賞をいただき、授賞式に出席させていただきました。論文作成にあたりご指導いただきました、小杉先生を始め、若泉先生、森崎教授、また式への参加に快くおくり出してくださいました麻酔学教室の皆様、ありがとうございました。今回の研究は、痛み診療センターが普段行っている、複数診療科による集学的治療の治療効果を調査したものです。いつもお世話になっているセンターの皆様にも、この場を借りてお礼申し上げます。

突然ですが、国際疾病分類(ICD)をご存じでしょうか?これはWHOが作成する、国際的に統一した疾病分類になります。2022年に第11版として改訂され(ICD-11)、「慢性痛」が初めて疾病として独立し、体系的に分類されたことが痛み診療の分野では画期的となりました。今回の研究では、当センターを訪れた慢性腰痛、頚部痛の方を、ICD-11に基づき一次性筋骨格系疼痛、二次性筋骨格系疼痛、神経障害性疼痛に分類し、治療効果との関係を調べました。神経障害性疼痛で有意に治療反応性が高いという結果を得ました。

さて、授賞式では本賞の受賞者は私を含め2名でした。代表理事の先生から直接賞状を頂いている自分がにわかに信じられず、緊張しましたが、大変光栄で貴重な瞬間でした。一方、毎年好例の川柳大賞の授賞式もあり、こちらは10名以上の方が、中には変装した格好で、プレゼンターの橋口さおり先生から賞を受け取っていらっしゃいました。皆さんの川柳も面白く、あらためてユーモア溢れる楽しい学会だと感じました。

今回の受賞は、当センターにとって、昨年の本田あやか先生に続く2年連続のものとなりました。今後も臨床面、学術面の両面において、当痛み診療センターが益々発展していく事を願っております。

星野 麗子

奥側:左から小川先生(初期臨床研修医)、若泉、阿瀬、小杉
手前側:左から河手、星野

優秀論文賞受賞のようす
左:星野、右:ペインクリニック学会代表理事(飯田先生)

左から若泉、小川(初期臨床研修医)、星野、山谷

ページ先頭へ